みらいスクール校長の菅野と教育の知見の深い方々との、教育をテーマにした様々な対談をご紹介していきます。育児や教育へのヒントになれば幸いです。
今回の対談はギフテ!の体験「キッズシンガー体験」の先生、作曲家/プロデューサーの春川仁志さんです。
この記事はこちらの続きです
高い声が出なくてもいい。個性が大事。
菅野
子どもへのアドバイスで気をつけていることは?
春川
いちばん大事なのは、声を出すこと。
最初は声が出ないんですね。「口を大きく開けよう。歌は自分が楽器だから、自分の口がスピーカーになるんだよ。」といいます。あとはさっきも言ったけど、自分に魔法をかけること。ボイトレが目的ではないので、歌のレッスンというよりも、勇気を持つ練習ですよね。
菅野
横から見てて、春川さんは「気持ちよくうたってくれるのが一番いい」というスタンスですよね。だから、絶対否定しない。むしろ褒めて、のせる。音程とかも柔軟に変えてくれてますよね。
春川
よく「高い声が出ないとダメ」と思っている人が多いんですが、絶対自分の気持いい声が出るレンジがある。
だから、アスリートみたいに無理に高い音を出そうとトレーニングする前に、まず自分の音域を知ることが大切なんです。
音程を下げたら負けみたいに思っている人も多いですね。

菅野
声域を広げる練習をするのは大事だけど、オリジナリティの方が大事だったりする。
春川さんはよく、子どもの声の個性を褒めていますよね。「ハスキーな声を活かした方がいいよ」とか。人と違うからこそいいんだよ、と認めてあげる。
春川
日本って「ウィークポイント(短所)をなおそう」という風習がありますよね。
だけど、、苦手なものに注力するより、自分がキラキラできるストロングポイントを伸ばして行くべきですよね。
菅野
ずっと以前に「プロから見て歌が上手い人」という記事でも書きましたけど。例えば中島みゆきさんとか小田和正さんとか、曲を聞いたらすぐその人だって分かるのがプロから見て上手い人だ、という話を聞いてなるほどと思いました。
<過去掲載の体験こぼれ話>
春川
プロは自分の強みと弱みを知っている。むしろ弱みをさらけだすことで、強みに変えているんですよね。
例えば低音がかすれちゃうのをあえてキャラにしちゃうとか。その代わり、弱みを凌駕するくらいの素敵な高音が出るとか。トータルでパッケージにしちゃう。

下手でも曲を作り切って、身の程を知ることが大事
菅野
「プロがどうやって曲を書いてるのか?」という質問も多いです。
春川
iPhoneの録音機能つかって、駅構内を歩きながら録音したりしてますよ。
ヘンなプライドがあると作れない。どんなにレベルが低くても、笑っちゃうくらいボロボロでも、まず、一曲作りきることが大事。
菅野
曲作りって、個性をそのまま形にするから、どうしても見栄をはりたくなりますよね。
春川
こんなはずじゃない、みたいなね(笑)
だから一曲を最後まで作って、自分の身の程を知るってすごい大事です。
菅野
自分が大学時代に本気でバンドやってて一番良かったのは、下手なりに自分で曲を作って、人に聴かせて、フィードバックを受けて、修正して人前で演じるのを繰り返したこと。
その経験が起業するときに、MBAの勉強よりずっと役に立った。起業も、自分のアイデアを人に見せて、評価されることの繰り返し。音楽は曲自体に個性が露骨に出るし、ただ良い曲を作っても全然だめで、個性がないと認めてもらえない。将来、起業したい人には音楽活動はおすすめですよ。
第3回 「音楽の世界は英語がマストになりつつある」に続く
►この対談は全3回でお届けします。
・第1回 「歌を通して子どもが成長する瞬間が好き」
・第2回 「高い声が出なくてもいい。個性が大事。」(今回)
・第3回 「音楽の世界は英語がマストになりつつある」
春川 仁志(はるかわ ひとし)さんプロフィール

卓越したメロディーセンス、ジャンルを問わず幅広く且つ時代を捉えたサウンドメイクで数多のアーティストへ楽曲を提供。
美しく繊細なメロディーラインが秀逸なバラード楽曲に於いてその手腕を高く評価される。
また、Sound Produceに於いては、サウンドメイクのみならず歌心を最大限に引き出すボーカルワーク、ア・カペラアレンジをも得意とする絶妙なコーラスワークでアーティストから絶大な支持を得ている。
■楽曲提供、プロデュース
EXILE / 三代目J Soul Brothers / GENERATIONS / 東方神起 / GOLD RUSH / SMAP / 清木場俊介 / HOME MADE 家族 / 加藤ミリヤ / AZU / 倖田來未 / Juliet / Tiara / 中村舞子 / 古内東子…and more

まわ

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