みらいスクール校長菅野と教育機関のリーダーと、教育をテーマに様々な対談をご紹介しています。今回のゲストは船橋市立高根東小学校校長の渡邉尚久(わたなべたかひさ)さんです。

自然に囲まれた広大な校庭。

子どもに大人気の「ジャンボ滑り台」。長すぎて写真におさまらず。
教育者にはしつこさが大事
菅野
先ほど生徒さんが挨拶してくれましたが、みんな表情がいいですね!のびのびと学校を楽しんでいる感じがします。しかも低学年なのに敬語を使っていて、礼儀をしっかり教えていらっしゃるのが伝わります。
渡邉
本校は子どもらしい子が多いですね。地域の中に学校がありますし、敷地も広いのでのびのびしています。言葉づかいについては、私がかなりうるさく、職員にも徹底しようと言っています。友達と同じ言葉で職員に話しかけた場合は、必ず言い直しをさせています。
菅野
素晴らしいですね。
渡邉
1度や2度では絶対身に付かないですからね。教育者には「しつこさ」が必要。今言ってきかなくても、後々活きてきますからね。
お恥ずかしながら、私が小学生の時、悪いことして担任につかまると、「だって〇〇くんもやっているから」と、よく友達の名前をだしていました。すると、担任が「友達じゃないでしょ。自分が悪い事したんだから、まず認めなさい」ってずーっと言われ続けました。とどめの一言が「男らしいってどういうことか考えなさいね」(笑)。この言葉を今でも思い出します。だから教師が投げかけてくれた言葉って大きいんですよね。
菅野
学校って社会にでるための基礎を学ぶところですよね。それを反復して教えられるのは学校しかない。やっぱりそこってすごく大事な役割ですよね。
自己効力感をどうやって育てる?
渡邉
松田純さんという「ユメカキ☆NOTE」で有名な漫画家さんがいます。自分が将来どうなりたいかをマンガで書いていくという授業がとてもユニークで、以前から学校で取り組んでいるのですが、本校でも取り入れています。
菅野
僕も小学校の特別授業で何度か夢についての授業をやったことがあります。
僕は「夢は今すぐ見つからなくてもいいんだよ」と言っていて、一番大事なのは自己効力感だと伝えています。自己効力感とは「自分はできる」と思えること。夢があることが必ずしも望ましいとは限りませんが、自己効力感が高い子は夢を3つも4つも書けます。自分の将来にポジティブなんですよね。
渡邉
自己効力感は私たちの教育でもよくテーマになります。日本の子どもたちは他国に比べて自信がないと言われますが、それは日本人の民族性も多少あると思うのです。
菅野
合わせることを重んじますからね
渡邉
私たちが力をいれているのが、日本人としての歴史をきちんと子ども達に伝える事。日本の歴史をきちんと学べば、日本人としてのアイデンティティ醸成や、日本に生まれたことの誇りにつながるはず。ひいては自己効力感につながると考えています。
よく「海外に行って初めて日本の良さに気付いた」という話を聞きますよね。私は海外にいかなくても日本の良さに気が付く日本人に育てたいなと思っています。
菅野
自分が何者であるか、を知るのは大事ですよね。そして、知った上で自分はどんな人になりたいかを考えることも大事です。それが自分らしさになり、周りに認められたりして自信につながれば自己効力感につながると思います。
海外の人は主張が強いと言うけど、ただ主張が強いのではなくて、自分の意識がしっかりあって、立場や目的が明確だからはっきりものをいう。そういう根柢の部分をしっかり持つのは大事だなと思います。
▼渡邉尚久(わたなべたかひさ)さんの授業はギフテ!でも受けられます
【次回の開催は4/6(土)】
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►この対談は全3回でお届けします。
・2/19(火)更新 「キャリア教育を安易にやってはいけない?」
・2/22(金)更新 「ごはんの「おこげ」は汚い?」
渡邉尚久さんプロフィール

昭和44年生まれ。千葉県内の小学校教諭、千葉市教育委員会の勤務を経て現職。教師として積み重ねてきた経験を若い人たちに伝える活動や、地域での勉強会など幅広く活動中。主な著者に『7つの習慣 小学校実践記』『7つの習慣 小学校実践記2』(キングベアー出版)『クラスがみるみる素直になる方法!』(学陽書房)などがある

まわ

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