みらいスクール校長の菅野と教育の知見の深い方々との、教育をテーマにした様々な対談をご紹介していきます。育児や教育へのヒントになれば幸いです。
今回はギフテ!の体験「【オンライン】親子でプレゼンテーション体験!まとめる&発表のコツ」「思考のプロフェッショナルが伝授!決める&伝えるコツ」「思考のプロフェッショナルとレベルアップ!作文&表現のコツ」など、ギフテ!の思考を鍛える体験の先生であり、ビジネススクールの人気講師でもある荒木博行さん。
論理的思考を鍛える「クリティカルシンキング」や、企業戦略を考える「マーケティング・経営戦略」などを1万人以上に教えてきた、まさに「思考のプロ」です。
プライベートでは男児2人の父として、子育てブログも執筆中。今回は、子どもたちが身に付けたい「考える力」についてお話しいただきました。
学びの裾野を広げたい!
菅野
荒木先生はビジネススクールで大変お世話になりました。以前からギフテ!の先生をやってくださいとラブコールを送っていて(笑)ついに実現できたのが、すごく嬉しいです。
荒木
もともと子どもが大好きで、子どもの友達と遊ぶのも大好きです。だから以前から子ども向けに教えられたらいいな、という気持ちはありました。
菅野
荒木先生がビジネススクールで教えている「クリティカルシンキング」※は、大人でも身に付けるのが難しいスキルです。それを子ども向けにかみくだいて教えてみようと思ったきっかけはあるのですか?
※問題解決力、コミュニケーション力、仮説構築力など論理的思考
荒木
きっかけというと、僕自身のキャリアから少しお話したほうがいいと思います。
ビジネススクールで約15年間、講師やマネジメントのキャリアを経て、昨年、退職して自分の会社を設立しました。独立した大きな理由の一つが「学びの裾野を広げたい」からということでした。
ビジネススクールに通えるのは、時間とお金をそれなりに投資できる、問題意識が高い人たち。だけど、そういう場所には通えないけど、学びたい人はたくさんいます。だから、もっとハードルが低く、学ぶ手段を提供できる活動に軸足を移そうと思いました。
『見るだけでわかる!ビジネス書図鑑』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を出版したのも裾野を広げる活動の一つですし、本の要約サイトを運営する株式会社フライヤーの経営に携わっているのも、本という手軽なコンテンツをつかって、学びを一歩踏み出していく人を増やしたいから。
すべては「学びの裾野を広げる」ため。
裾野を広げていくと当然子どもも含まれてきますよね。だから今回、立場も変わったタイミングで、お引き受けしました。

『見るだけでわかる!ビジネス書図鑑』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
菅野
荒木さんが設立した「学びデザイン」という会社名を聞いた時、すごいいいなと思いました。学びをデザインして、学びの裾野を広げていく。ギフテ!の体験は親子で一緒に学ぶので、「学びの裾野を広げる」という意味ではすごく合っていますよね。
荒木
はい。ただしギフテ!のセッションは数時間ですから、そこで全てを学んで何かを変えることは難しいです。だから、家庭内の会話が大事だと思っています。子どもが誰に影響受けるかというと、やはり親の影響が一番大きいですから。
菅野
学んだことを生かすためには、親も理解して、親子の会話で継続した方がいいということですよね。荒木さんはお子さんとの対話で、特に意識されていることはありますか?
荒木
一つあげるとしたら、子どもに大事なことを伝えるタイミングはよく考えます。
子どもって、心がオープンの状態とクローズな状態とありますよね。話が聞ける状態と聞けない状態。同じことを言っても、状態によって浸透力が全然違います。
よくあるのが、クローズな状態に多くの事を伝えてしまって、「言うことを全然聞かない」とお互いイライラしてしまうこと。
親だからいろいろ言いたくなりますが、クローズな時はいくら言っても届かないし、そういう時はただ認めてあげるくらいがちょうどいいと思います。例えば散歩の途中とか、お風呂に入っているときとか、子どもがどういう時にオープンになるかを観察して、教育的に大事なことを話すように意識しています。
そういう意味では、ギフテ!の体験に来ている子どもはオープンな状態ですよね。オープンにならざるをえないというか。だからああいう場所で教えるとすごく浸透力が高いです。
菅野
ただでさえオープンな状態なのに、荒木さんは、子どもがさらにオープンになる刺激をいろいろ与えますからね。オープンになりすぎちゃう子どもがいるくらい(笑)

▲子ども達をどんどんオープンにしていく荒木先生
荒木
子育てってどの家庭も同じだと思いますが、めちゃくちゃ大変ですよね。僕も外野だから言えることもたくさんありますし、外野の人だから、子ども達がちゃんと話を聞いてくれるというはありますよね。僕自身も自分の家庭内では、やっぱりうまくいかないことの方が多いです。だから、うまく外の場を活用することも大事。
あと、よく聞かれることなんですが、子どもの教育において、具体策レベルで「こういうやり方で育てれば成功する」なんて絶対ない。その子のキャラクターや、その子の成長ステージによってケースバイケースです。
うちの息子たちが二人とも聞き分け良くて、勝手に成長していくタイプだったら、僕はもっと「教育法」みたいな偉そうなことを言っていたと思うのですが、残念ながら親としてもいろいろ悩み、試行錯誤しながらやっているもので(笑)。
菅野
親心として、つい万能薬を求めてしまいますよね。
荒木
子どもって兄弟でも全くタイプが違いますよね。持って生まれた何かがある。
その子らしさを尊重する、認めることからスタートしないと、イライラが募るだけ(笑)。だから、万能薬みたいなのを求めるのではなく、一人一人の個性を認めていく事。
子どもの心がオープンのタイミングに伝えていくことこと。そして、抽象的な原理原則を理解しつつ、具体的な手法はその時々で使い分けていくこと。そこを意識するだけで子育てって大きく変わってくると思います。
第2回 「思考を視覚化できる手段は一生の武器になる」に続く
►この対談は全3回でお届けします。
・第1回 「ビジネススクールで学ぶことをもっと身近に」(今回)
・第2回 「思考を視覚化できると一生の武器になる」
・第3回 「子どもにはオプションのある人生を送って欲しい」
荒木博行(あらき ひろゆき)さんプロフィール

住友商事株式会社を経て、2003年よりグロービスに参画する。グロービスにて「クリティカル・シンキング」や「経営戦略」といった科目の教壇に立つ。『見るだけでわかる!ビジネス書図鑑』など著書多数。音声メディアのVoicyにて「荒木博行のbook cafe」という番組を持ち、毎朝書籍を紹介する。 現在は、株式会社学びデザイン代表取締役を務めるとともに、株式会社フライヤーにて取締役COOを務める。ブログ更新中。https://manabi-design.jp/profile/

まわ

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