枠をはずすからワクワクする!【校長×校長】武蔵野女子学院中学校・高等学校校長 日野田直彦氏(3) |

枠をはずすからワクワクする!【校長×校長】武蔵野女子学院中学校・高等学校校長 日野田直彦氏(3)

2018.12.28

みらいスクール校長の菅野と教育の知見の深い教育機関のリーダーとの、教育をテーマにした様々な対談をご紹介していきます。育児や教育についてヒントになれば幸いです。
 


今回のゲストは武蔵野女子学院中学校・高等学校の校長先生、日野田直彦さんです。
 
この記事は、こちらの続きです。

学校を変えていくには?【校長×校長】武蔵野女子学院中学校・高等学校校長 日野田直彦氏(1)

グローバル教育って何?【校長×校長】武蔵野女子学院中学校・高等学校校長 日野田直彦氏(2)

枠をはずすからワクワクする!

 

菅野

自分は社会人として14年経験し、いちおうMBA(経営学修士)も持っていますが、起業してから一番役に立ったなと思う経験は、大学時代にプロを目指していたバンド活動なんですよね。
 
学校とは全然違うルールがそこにはあって。バンド活動を続けるのに大事なのは「自分たちと分かる個性的な音楽をつくる」ことと合わせて、「ライブハウスのおやじに気に入られる」、「良いお客さんをたくさん連れてくる」、の3つ(笑)
実力も大事だけど、ネットワークも必要。だから、僕は演奏を他のメンバーに任せて、飲み会に必ず参加していました。「オレ、気合入ってますよ」と言いに行くために(笑)
 
起業もほとんど同じだと思います。自分たちのアイデンティティを確立し、株主や顧客を含めたステークホルダーと良好な関係を積み上げる。言い方が違うだけでやっていることはほぼ同じ。そして一番似ているのは既存のシステムから外れること。怖さもあるけど、楽しさもある。むしろそういうのが楽しいと思えたら皆もっとチャレンジできると思います

 

日野田

そもそも今のシステムが何故できたのか考えていない人も多いですよね。例えば学校は行事が多いですが、やる理由を聞いても答えられない。それってオーナーシップもって生きてない証拠ですよね。

 

菅野

既存のシステムに適合するならオーナーシップを持った方がいいし、別の世界ももっと見た方がいい。僕たちの体験はワンショットだけど外の体験を見せることに意味がある。自分の今いる世界から外の世界へまたぐときに人って「ワクワクする」と思うんです
 

日野田

そう。枠(わく)を外すからワクワクするんです

 

菅野

いいこと言いますね!
 

失敗を楽しめる環境に

菅野

ギフテ!を始めたきっかけは子どもがワクワクするような体験を作ろうと思ったからです。エンターテイメント中心のワクワクはあるけど、もっと知的好奇心を刺激するようなものがあるはずだと

 

日野田

僕、元々理系なのですが、ボイジャー※の数式を見て、感動して、宇宙にはまりました。
 
今から40年も昔、コンピューターの処理速度が今よりずっと遅かった時代にシンプルな数式を作って、今でも使われているのはすごいですよね。当時、天体のスピードとかもちゃんと分からないまま、とりあえず宇宙に飛ばしてみたチャレンジ精神も好きです。
※無人惑星探査機。打ち上げから40年たった現在も宇宙を飛行中。
 

菅野

説明できないけどやってみよう。やってみたらできちゃったってやつですね。
 

日野田

以前NASAの人と話したとき、日本の理系がふるわなくなったのは、失敗に対する恐れがあるからだという話題が出たことがあります。科学は実験の失敗の向こう側に成功があるのに、成功する事ばかり考えている。本来、理系は失敗を楽しむべきなのに、それができない人があまりにも多いと感じますね。
 

菅野

答えがあることに対しては進めるけれど、答えがないものに対して何もできない大人は多いですよね。

 

日野田

大人が変わらないとダメですよね。マトリョーシカみたいにどんどん小さくなっている

 

菅野

教育に関わるものとして次の世代には、チャレンジをする人をもっと増やしていけたらいいし、失敗してもいいんだよって伝えられたらいいですよね
 

<終わり>

『なぜ「偏差値50の公立高校」が世界のトップ大学から注目されるようになったのか!?』

日野田 直彦 (著)IBCパブリッシング

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まわ

まわ

京都市出身。大学卒業後に出版社を経て広報の道へ。中小企業診断士、販売士一級の資格を保有。最近、趣味で家庭菜園を始め、自分で育てた野菜でサラダを作るのが目標。