みらいスクール校長菅野と教育に関わる各分野のリーダーと、教育をテーマに様々な対談をご紹介しています。育児や教育へのヒントになれば幸いです。
今回の対談は月刊『子供の科学』編集長 土舘建太郎(つちだてけんたろう)さんです。
大正13年の創刊以来、宇宙、生き物、化学、テクノロジーなど幅広いテーマをわかりやすく深く伝え、サイエンス好きな子ども達に長年愛されている雑誌です。
対談のテーマは「子どもと科学」。
ギフテ!でも人気のプログラミングや宇宙などについても話をお伺いしました。

▲いろいろ雑誌や本を見せていただきました。興味津々の菅野校長。
子供が科学に興味を持つきっかけ
菅野
実はうちの小学校6年生の娘も『子供の科学』を愛読していまして、今日、編集長にお会いすると言ったらサインを頼まれました(笑)。読者はどういう方が多いですか?
土舘
小学校4年生から中学2年生までが主な読者層ですね。編集部でイメージしている読者の姿は、学校のクラスにいる科学が大好きという子、特に工作や宇宙など特定のジャンルにハマっているような子たちです。
なかなか自分が本当にほしい情報が見つからない中で、書店や図書館で『子供の科学』を見つけて、読むようになってくれているのかなと。
菅野
科学をより深めたい子にとって、ちょうどいい深さですよね。学校では学べないような「もっと知りたい」という要求に応えてくれますもんね。
土舘
内容をもう少し簡単にしたら読者層は広がるのかなと思いつつ、本気で探求したい子にはつまらない内容になってしまいますからね。専門知識をどこまで掘り下げて書くか、バランスが難しいです。
とはいえ、ここ10年ぐらい、販売部数は少しずつ伸びています。教育現場や親御さんの科学教育に対する意識が変わってきているのを感じます。
菅野
12月号の表紙に本庶佑先生の写真が載っていますけど、日本人のノーベル賞受賞の影響なども大きいのでは?
こういうニュースがあると、将来なりたい職業ランキングで「科学者」の順位が必ずあがります。ノーベル賞だけでなく、JAXA(宇宙航空開発研究機構)も日本人宇宙飛行士を3年間連続でだしています。
世の中の出来事は、子ども達の関心にインパクトを与えますよね。
▲『子供の科学』2018年12月号
土舘
おっしゃる通り。科学に関する大きなニュースがあると、部数もアップします。
販売部数が伸びたきっかけの一つが東日本大震災です。福島第一原子力発電所の事故をうけ、「今知っておきたい放射線のABC」という特集を組んだ2011年6月号は完売しました。翌年の2012年には金環日食があり、宇宙や天文への関心が高まりましたし、その後は、日本人のノーベル賞の受賞が続きました。
私が編集部に入ったのは2012年からですが、科学への興味・関心の波が来ているのを感じますね。
菅野
子ども達が「自分ごと」に感じられるような出来事があると、好奇心って自然に沸いてくるんですよね。
あと子どもの周りに、好奇心がフックしそうなものが置いてあるのも大事だと思います。
たとえば僕が子どもの頃、父親が『Newton』(科学雑誌)を購読してて、本棚に並んでいるのを勝手にパラパラめくって読んだ記憶が今でも残っています。
土舘
家の本棚って重要ですよね。『子供の科学』も、元々子どものころに読者だった方が購入して、子どもがいつでも読めるよう本棚に置いてくださっている方がたくさんいらっしゃいます。
最近は電子書籍で本を読む人が増えているので、お父さんやお母さんが読んでいる本を子どもが勝手にのぞく機会が減っているのが少し残念ですね。
►この対談は全3回でお届けします。
2/1の対談の最後では抽選プレゼントのご案内もあります。お楽しみに。
・1/29(火)更新予定 「プログラミング教育の変化」
・2/1(金)更新予定 「やっぱり宇宙が好き」
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土舘建太郎さんプロフィール

1978年生まれ。学習院大学を卒業後、フィットネス・健康雑誌の編集部に8年所属。その後、誠文堂新光社に移り、『愛犬の友』編集部を経て、2012年に『子供の科学』編集部へ。2015年より『子供の科学』編集長に就任。

まわ

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