みらいスクール校長菅野と教育に関わる各分野のリーダーと、教育をテーマにした様々な対談をご紹介しています。育児や教育へのヒントになれば幸いです。
今回の対談は月刊『子供の科学』編集長 土舘建太郎(つちだてけんたろう)さんです。
この記事はこちらの続きです
プログラミング教育の変化
菅野
ギフテ!ではプログラミング体験が人気あります。
特に人気ゲームのマインクラフトに関するもの、ロボットや電子工作に関するものなど、プログラミングだけにとどまらない特別な体験を心掛けていて、子どもの関心が高くなってきているのも日々感じています。
『子供の科学』もプログラミングの記事をよく書かれてますが、読者の変化などありますか?
土舘
2014年4月号の「ゲーム特集」の中でスクラッチの特集記事を載せたところ好評で、スクラッチの連載をスタートさせました。
その頃のプログラミング記事は「ゲームを作るためのツール」として、一部の読者が強烈にはまっている様子でした。教室やコンテストも開催したのですが、参加者の親御さんもプログラミングに詳しく、教育熱心な方が多かったです。
それから数年がたった今では、普通の子もプログラミングに関心を持つようになり、裾野が広がっているなと感じます。女子も増えましたし。
菅野
確かに。親は詳しくないけど、子どもがやりたがるからプログラミングの体験に来ましたという方が増えた気がします。
土舘
2017年に子供向けPCキット「ジブン専用パソコンキット」を発売したところ、想像以上に反響がありまして。一時入荷待ちの状態になるくらい人気商品になりました。
親のPCを借りるのは気を遣うし、親も自分のPCは壊されたくない。だから「自分専用」で使えて、しかも壊れたらOSが入っているSDカードを差し替えれば復活できるこのキットが人気なんだと思います。
発売当初は親が子どもに買い与える人が多かったですが、最近は子どもが自分で欲しいと言うから買ったという方が多いですね。

▲ジブン専用パソコンキット2「フルセット」 28,080 円(税込) KOKAショップにて販売中
菅野
ギフテ!もラズベリーパイ3を使った電子工作体験があるんですが、帰りにキーボードとマウスを買って帰る親子がいます。でもこの「自分専用パソコンキット」はモニターがついてるのがいいですね。親に見られず自由に作れる(笑)
うちには福田敏史さんという19歳のプログラミングの先生がいるんです。中学生でゲームを作り始めて、高校生でもうプログラミングを教えてた方で。他の体験と比べると圧倒的に若い先生です。
土舘
今までいろんなプログラミング教室を見ましたが、教えるのが難しい分野だなと思います。
どうやったら子どもが主体的に考え、アイデアを出し、組み立てられるようになるか、先生の力量が試されますよね。
サンプルのプログラムを書き写す「写経」だけでなく、その先にどうやって導いていくかは、みんな頭を悩ませているところだと思います。
菅野
プログラミング教育は2つの方向性があると思っていて、一つは学校で学ぶようなプログラミングを使った論理的思考。もう一つは、自分の好きなゲームを0から作るような、ものづくり思考。
後者のものづくりは、プログラミングだけやってても意外とダメなんですよね。オリジナリティを出していくには他の視点がとても大事だったりする。
土舘
巻末で2月号まで連載していたマンガ「放課後探偵 メイカー編」のテーマがまさにそれなんです。
主人公の明(あきら)は小学生の天才プログラマーで、いつも一人でプログラミングしているんです。でも実世界のものづくりをしないといけない現場に巻き込まれていき、一人の力では何もできない事に気付きます。で、周りの大人や友達に助けてもらいながら、本当のものづくりに目覚めていくというストーリーなんですよね。

▲大人気連載「放課後探偵 メイカー編」
菅野
プログラミングってあくまで手段ですよね。例えば地球環境をよくするために何か作ってみようとか。
いわゆる教科書的なプログラミング教育の枠を超えて、子ども達に「こんな面白さもあるよ」ってプレゼンテーションしたいなと思いますね。
<続く>
►この対談は全3回でお届けしています。
2/1の対談の最後では抽選プレゼントのご案内もあります。お楽しみに。
・1/25(金)更新 「子供が科学に興味を持つきっかけは?」
・2/1(金)更新予定 「やっぱり宇宙が好き」
土舘建太郎さんプロフィール

1978年生まれ。学習院大学を卒業後、フィットネス・健康雑誌の編集部に8年所属。その後、誠文堂新光社に移り、『愛犬の友』編集部を経て、2012年に『子供の科学』編集部へ。2015年より『子供の科学』編集長に就任。

まわ

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