「君たちが知っている医者が全てじゃないよ」というのを知ってもらいたい【校長×ドクター】スキンリファインクリニック広尾 橋本聡院長(1) |

「君たちが知っている医者が全てじゃないよ」というのを知ってもらいたい【校長×ドクター】スキンリファインクリニック広尾 橋本聡院長(1)

2019.3.14

みらいスクール校長菅野と教育の知見の深いリーダーと、教育をテーマに様々な対談をご紹介していきます。育児や教育へのヒントになれば幸いです。
 
今回はギフテ!の大人気体験の一つ、「本格キッズドクター体験」の先生であるスキンリファインクリニック広尾院長 橋本聡さんにお話を伺いました。


医者のやりがいを感じられるプログラムに

菅野

橋本先生との出会いは1年前ですよね。「宇宙ミッション体験」にお子さんとご参加いただいたのがきっかけです。
 
冒頭の挨拶で「ギフテ!では宇宙の体験以外にもドクター体験などもやっています」とお話したら、「ドクター体験ってどんなことやっているのですか?私も医者なので」って声をかけていただいて。

 

橋本

そうでしたね。ギフテ!のコンセプトや内容がすごくいいなと思いました。それで私の医者仲間にも声をかけて、せっかくやるのであれば他にはない特別なドクター体験を一緒に作ろうと、企画をしました。
 

菅野

企画段階のときに、橋本先生が「医者のやりがいは人を痛みや苦しみをなおして、感謝されることなので、それをダイレクトに体験にしてみませんか?」と言われました。
 
それで、患者さんが苦しみながら病院に来て、診断・治療をして、最後に感謝されるまでのシナリオを考えていただきました。

橋本

背景には私が医者になるまでの体験があるんです。
 
私は親族に医者は一人もいません。テレビで「救命救急」「密着24時間」などを見て、命を救う姿がヒーローみたいでかっこいいなと思ったのがきっかけで医者になりたいなと思った。
 
でも、大学で勉強して、研修医になって、いろんな現場を経験して医療の現場を実際に知るようになると、最初に専攻したのは形成外科、そして最終的には美容皮膚科を専門としている。
 
私自身が子どものころ「こうなりたい」に思っていたイメージとは全然違うタイプの医者になったんです
 
だから、子ども達には「医者といっても一つじゃなくて全然ちがう職業の集合だよ」ということを伝えたいなと思ったんです。いろんなカラーがある。テレビだけでは、そこまで伝わらないですよね。

 

菅野

一般の人が普段会えないようなお医者さんもいますしね。「病理医体験」の先生をご紹介してくださったのも橋本先生でした。

(▲ギフテ!で2018年夏に開催した「病理医体験」。)
 

橋本

君たちが知っている医者が全てじゃないよ」というのを知ってもらいたいんですよね。
 
一方で、どの医者でもやりがいを感じている部分は共通しているんです。それは「困っている人を助けて、感謝してもらう喜び」。
 
ここが自分にとって楽しいなと感じたら医者としてやっていけるよ、というのも伝えたかったんです。
 
医者のやりがいを感じてもらうためには、診察から治るところまでの流れを「リアル」に再現することが大事だと思ったんです。

 

菅野

臨場感を味わってもらうために、プロの俳優さんを患者さんとして呼んでいただいた
 
俳優さんってすごいなと思いました。顔色まで真っ青にして、本当に苦しそうに病室に入ってくる。子ども達が一気に緊張した顔になりました

橋本

患者様がお母さんとかだと、どうしても「お医者さんごっこ」で終わってしまいますからね。
 
知らない人の方が絶対リアリティあります。さらにプロの役者さんに患者役をお願いしています。役者さんには子供相手としてではなく、実際の患者に完全になりきっていただくように依頼してあります。
 

菅野

看護師さんもいい演技をしてくれるんです。
 
処方に必要な情報を与えたうえで「先生どうしますか」と聞いてくる。苦しい人が目の前にいて、自分が決断しないとけない状況って大人でもきつい。
 
お医者さんは普段からそれをやっているんですよね。
 

橋本

あの空気感はかなりリアルなんですよ。
 
私たちも医師になりたての頃に、当直に入ると、夜中に救急車で苦しんで人が運ばれてくる。
 
ナースに「先生、これです」と情報を渡されて、判断をしないといけない。まさにギフテ!の体験でやったのは「夜の救急外来」と同じ光景なんです。

 

菅野

あまりの緊迫した空気で完全にスイッチが入り、子ども達が全く笑ってなかったです。
 
体験が終わった後、「はぁ」ってため息つきながらソファに座ってて(笑)。安堵した様子というか、緊張から解放された顔していました。
 
あそこまでリアルな経験ってなかなかできないですよね。自画自賛になっちゃいますけど、本当にいい体験を提供できたなと思います。
 
(続く)
 
この記事の続きはこちらです

医者を目指す子ども達に伝えたいこと【校長×ドクター】】スキンリファインクリニック広尾 橋本聡院長(2)

►この対談は全2回でお届けします。
・3/14(木)更新 「「君たちが知っている医者が全てじゃないよ」というのを知ってもらいたい【校長×ドクター】スキンリファインクリニック広尾 橋本聡院長(1)」
 
・3/21(木)更新 「医者を目指す子ども達に伝えたいこと【校長×ドクター】スキンリファインクリニック広尾 橋本聡院長(2)」

 

橋本聡さんプロフィール

スキンリファインクリニック広尾 院長
日本美容外科学会認定 美容外科専門医
日本医科大学卒業後、日本医科大学形成外科助教を経て東京・広尾にて2014年にスキンリファインクリニック広尾(皮膚科・美容皮膚科・美容外科)を開業。
TBS金曜ドラマの医療監修やラジオ、テレビCM等に出演しメディアでも活躍中。美容雑誌『美St(光文社)』が選ぶ2017年美容医療ドクター大賞全国1位受賞

 

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まわ

まわ

京都市出身。大学卒業後に出版社を経て広報の道へ。中小企業診断士、販売士一級の資格を保有。最近、趣味で家庭菜園を始め、自分で育てた野菜でサラダを作るのが目標。