これからを生きる子どもに一番大切なこと〜【校長×校長】First Classroom世田谷 園長 橋井健司氏(3)〜 |

これからを生きる子どもに一番大切なこと〜【校長×校長】First Classroom世田谷 園長 橋井健司氏(3)〜

2018.10.30

みらいスクール校長の菅野と教育の知見の深い教育機関のリーダーとの、教育をテーマにした様々な対談をご紹介していきます。皆さんの育児や教育についてのヒントになれば幸いです。
 


今回のゲストは「世界基準の幼稚園 6歳までにリーダーシップは磨かれる」の著者、橋井健司さんです。
 
この記事は、こちらの続きです。

子ども時代に大切な「安全基地」と「異年齢との関わり」〜【校長×校長】First Classroom世田谷 園長 橋井健司氏(1)〜

親子でダラダラ過ごしたっていい〜【校長×校長】First Classroom世田谷 園長 橋井健司氏(2)〜


 

エリート教育は2極化する

菅野

僕の娘は小学校6年生で、この前塾の先生と面談したら、「授業で積極的に発言するのはいいけど、時々(先生の)意図をくまないで発言することがある」と言われたんです。
テストでも、問題の意図から外れて、自分の考えを回答に書いちゃう。先生からは「この回答は採点が厳しい学校だと0点になります。」て言われて。
 


 

橋井

海外なら100点ですよね。その辺の評価って、日本と海外だと正反対です。
読書感想文も日本では登場人物とか作者の意図を読まないといけない。海外だと自分ならどうするかを書いて説明しないと点数もらえない。日本で同じこと書くと「あなたことは聞いていない」となっちゃう。
 

菅野

学年が大きくなるにつれ、そういうことを感じることが多くなってきた気がします。今年からギフテ!では東京都の英語村事業「Tokyo Global Gateway」※で体験を提供するようになり、公私ともにその違いを感じます。
 

橋井

今後のエリート教育は2極化すると思います。
 
一つは旧来型の受験主義日本エリート、もう一つは自由主義グローバルエリート。英語が話せるという意味ではなくてね。世界で通用する、自分の考えをしっかり持って伝えられる人材です。
 

まとめ:これからを生きる子どもに一番大切なこと

菅野

今日は色々と興味深いお話しをありがとうございました。最後に「幼児園 First Classroom 世田谷」を運営される中で、 これからを生きる子ども達にとって一番大切なことはどのようなことだと感じるか教えてください。
 

橋井

繰り返しになりますが、まずは子どもが安心できる場所をつくってあげること。そのためには大人の都合(生産性や効率性)ではなく、本当の意味で子ども中心の環境を作ってあげることが大切です。

 
「幼児園 First Classroom 世田谷」では子どもあたりの保育士の数が通常の園よりずっと多いです。特に異年齢にこだわっていることもあり、子どものペースに合わせてあげようとすると、どうしても大人の手が必要になり、こちら側の効率性は落ちます。それでも大人側がゆったり構えて、子どもが安心できる環境を与えてあげると、子どもは弱いものや人に優しくなり、難しいものにも挑戦していくようになっていきます。
 

菅野

親として耳が痛いことが多いです(笑)。日常の生活に戻ると、幼稚園児の生活習慣や小学生の学習習慣など、登園時間を気にしたり学校の成績を気にして、つい親が手や口を出してしまうことが、個人的にもたくさんあります。その度に、教育には我慢というか寛容さが一番大切だな、と反省してしまいます。
 

橋井

「世界基準の幼稚園」を出版したことで、親御さんや同じ保育業界だけでなく、スポーツや勉強の教育者からもたくさん反響がありました。
多くの方が同じような問題意識をもって、悩みながら子どもと向き合っているのだと思います。そのような人のお手伝いが本を通して少しでもできていたらいいなと思います。
 

菅野

僕もご著書を読んで、大変勉強になりました。教育に携わる者として、僕が子どもに一番大切だと思っているのは自己効力感(自分はできるんだと信じられる力)です。
ギフテ!の体験を通して色んな分野のプロフェッショナルに触れることは、好奇心を刺激して自分の世界が広がるだけでなく、お手本を見ることで、「自分でもできる」と思う心も育つと思っています。
その自己効力感のベースとなるのが、橋井さんのおっしゃる「小さい頃から心身ともに安全な場所を作ってあげること」だと感じました。本日はどうもありがとうございました。
 


対談「【校長×校長】First Classroom世田谷 園長 橋井健司氏(全3回)」は以上です。読んでいただきありがとうございました。
 
※TokyoGlobalGateway
東京都教育委員会と株式会社TOKYO GLOBAL GATEWAYが提供する全く新しいタイプの体験型英語教育施設。体験提供のプレスリリースはこちら

(TOKYO GLOBAL GATEWAYの一般利用でギフテ!は体験を企画・運営しています)
 

橋井さんの著書:世界基準の幼稚園 6歳までにリーダーシップは磨かれる

グローバル基準の保育を行う世田谷区の人気幼児園「First Classroom」。「食事や睡眠はマイペースでやらせる」「甘えた子ほど面倒見のよい子になる」など、園で実践している18の理論を紹介。園長・橋井健司氏が、欧米諸国の子育てや心理学によるアプローチを研究・実践してきた中で、「子育てには正解がある!」と確信したメソッドが学べます。

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まわ

まわ

京都市出身。大学卒業後に出版社を経て広報の道へ。中小企業診断士、販売士一級の資格を保有。最近、趣味で家庭菜園を始め、自分で育てた野菜でサラダを作るのが目標。