「楽しかった」で終わらせない。「良い絵が描けた」と全員が思える体験に【校長×アーティスト】ミヤザキケンスケさん -

「楽しかった」で終わらせない。「良い絵が描けた」と全員が思える体験に【校長×アーティスト】ミヤザキケンスケさん

2019.5.17

みらいスクール校長の菅野と教育の知見の深い方々との、教育をテーマにした様々な対談をご紹介していきます。育児や教育へのヒントになれば幸いです。
 


今回は、ギフテ!の人気企画「巨大壁画アートを制作!キッズアーティスト体験」のミヤザキケンスケ先生です。
 
この記事はこちらの続きです

「今、絵がすごくよくなった」という瞬間を子どもに体験させる【校長×アーティスト】ミヤザキケンスケさん

自分が描きたい絵と、誰かのために描く絵は全く違う【校長×アーティスト】ミヤザキケンスケさん


 

「アーティスト」という進路

菅野

ミヤザキさんは高校から美術科を専攻されています。ご両親は反対されたなかったですか?
 

ミヤザキケンスケさん(以下ミヤザキ)

最初は普通の高校に行ってほしかったみたいですけど(笑)。僕としては早めに自分が打ち込めることをしたかったんですよね。
 
元々サッカー選手になりたかったんですけど、小学校にサッカー部がなくて、中学からサッカーを始めたんです。そしたら、サッカーの上手い奴が周りにゴロゴロいて。
 
やっぱり早くスタートした方がいいんだ、ってその時に思いました。だから、専門分野を早く決めて、それをずっとやっていこうと思いました
 

菅野

中学生でその考え方、すごいですね。普通は逆で、つぶしがきくことを考えますよね。
僕なんてどうにでもなれるように、高校は普通科で、大学は経済学部ですから。そのくせ、大学入ったらバンド始めてましたからね(笑)
 

ミヤザキ

僕の家が4人兄弟で、勉強ができる優秀なタイプや、スポーツが得意なタイプが既にいたんです。
 
だから、すきま産業じゃないですけど(笑)上と比べられたくないというのがあって、違う分野でやりたい、というのも影響していますね。

セルフプロデュースはどの分野でも必要

菅野

絵で食べていくために必要な事って何ですか?

 

ミヤザキ

この世界って、本当に絵が上手い人が有名になれるわけではなかったりする
 
どちらかというと、「誰かが見つけてあげる」という世界。美術雑誌にのるとか、コンクールで賞をとるとか、美術界で認められないと生きていけない世界。
 
とはいえ、インターネットが登場して、自分で作品を発信できるようになったのは大きいですよね。

 

菅野

単純に能力が高ければ食べていける世界じゃないのは、サラリーマンもサッカー選手でも同じ。自分をどう見せていくかが大事なんですよね。

 

ミヤザキ

芸術家って社交性がない人が多いので、人と会いたがらないんですよね(笑) 
 
僕は人と会うのが好きだし、一緒に何かをやるのも好き。そこが僕のパラドックスなのでもあるんですけど。本当に絵が上手いやつは、社交性が全くなくても、美術界の人たちが売り出してくれたんですけど、今は少ないですよね。おっしゃる通り、セルフプロデュース力が今後ますます大事かもしれないですね。

 

菅野

セルフプロデュースってつまりは自分自身を作品として見せること。そうした力をアート体験で高めていけたらいいですよね。
 

あと、今回、クラウドファンディングを実施している※ 真備町の体験みたいにアクリル絵の具を使えば、たとえ失敗しても上塗りすれば修正できる。だから、どんどん失敗していいんです。ミヤザキさんが元の絵を生かしながら修正をしてくれて、最終的には思ってもみなかった作品が完成する

 

ミヤザキ

真っ白だったキャンパスが絵になるってすごく面白いんですよね。そこに人間がいなければこの絵は完成しなかったという達成感は特別です。
 

菅野

真備町の垂れ幕プロジェクトは、リレー方式でやる。
 
1日しか来れない子は、次の日来る子にバトンを渡していく。だから、一人一人の描いた絵が重なり合って、融合して、化学反応を起こして最終的なアウトプットとして絵が残る。それがすごく楽しみです。

 

ミヤザキ

真備町では合計6本の垂れ幕を制作するので、3本の垂れ幕を同時進行するんですが、それ自体が僕にとっても初めての試み。ただ、アート体験である以上、「楽しかった」で終わりにせず、完成した時に「いいものができた」と誰もが思えるものにしたいですね
 

菅野

アートについて興味深いお話をありがとうございました。
言葉がなくても、その場にいなくても、伝えたい想いを表現できるアートの力や可能性を改めて感じました。
 
そんなアートの力を、これからのミヤザキさんの体験でも、真備町のプロジェクトでも、たくさんの子ども達に伝えていき、それぞれの子ども達の個性が花開いていくきっかけになればいいなと思いました。これからもよろしくお願いします。
 

アートの力で子どもたちを元気に!クラウドファンディング挑戦中   *皆様のあたたかいご支援をたくさんいただき、無事成功いたしました!

※ギフテ!では2018年7月に豪雨被害のあった岡山県倉敷市真備町で、
ミヤザキ氏とアートを描く体験を子ども達に贈るプロジェクトを実施しました

https://camp-fire.jp/projects/view/134459

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►この対談は全3回でお届けしました。
 
・5/7(金)更新 「「今、絵がすごくよくなった」という瞬間を子どもに体験させる」
・5/14(火)更新 「自分が描きたい絵をかくのと、誰かのために描く絵は全く違う」
・5/17(金)更新 「「楽しかった」で終わらせない。「良い絵が描けた」と全員が思える体験に」

 

ミヤザキケンスケさんプロフィール

筑波大学修士課程芸術研究科を修了後、ロンドンへ渡りアート制作を開始。Supper Happyをテーマに、見た瞬間に幸せになれる作品制作をしている。
2006年から行っているケニア壁画プロジェクトでは100万人が住むといわれるキベラスラムの学校に壁画を描き、現地の人々と共同で作品制作するスタイルが注目される。現在世界中で壁画を残す活動「 Over the Wall 」を主催し、2016年は東ティモールの国立病院へ壁画を制作。2017年はUNHCR協力のもと、ウクライナのマリウポリ市に国内難民のための壁画を制作した。

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まわ

まわ

京都市出身。大学卒業後に出版社を経て広報の道へ。中小企業診断士、販売士一級の資格を保有。最近、趣味で家庭菜園を始め、自分で育てた野菜でサラダを作るのが目標。