こんにちは!みらいスクールのミヤジマです。
今回は、SDGsをゲームの世界で体感できる人気体験の先生、宮島衣瑛(みやじまきりえ)さんへのインタビューをご紹介します。
▼前回の記事はこちら
「【1Day】マイクラで遊んで考える!世界の課題解決体験(SDGsバージョン)」。
SDGsをマインクラフトの世界で行う意味など、宮島衣瑛さんと体験の魅力についてお話ししました。
<体験の内容>
マインクラフトの世界を舞台に、SDGsの内容をゲームで体感します。
予め用意されたマイクラワールドの中には4つの仮想国があります。実際にある国をイメージして作られており、国の特徴も、抱えている課題も様々です。
参加者同士でチームになって国を運営、総理大臣や外務大臣として自国の発展だけでなく、世界の発展を目指して取り組んでいきます。国の人口が増減したり、自然環境が変わっていったりという国の変化もマインクラフトのイベントとして行われ、ゲームで遊んでいる感覚で楽しく取り組むことができます。体験ページはこちら。
宮島衣瑛(みやじまきりえ)さんのプロフィール
株式会社 Innovation Power CEO
学習院大学文学部教育学科
CoderDojo Kashiwa Champion
2013年5月から地元である千葉県柏市で小中学生向けのプログラミング道場、CoderDojo Kashiwaを主催・運営。プログラミング教育を始めとするICT教育全般について、全国各地で実践研究を行っている。教育分野のResearch&Developmentを行っているInnovationPower Co.,LtdのCEO。2017年4月より柏市教育委員会とプログラミング教育に関するプロジェクトをスタート。市内すべての小学校で実施するプログラミング学習のカリキュラム作成やフォローアップを担当。大学では教育についてより専門的に学んでいる。
疑似体験を通してリアルを感じることがある
みらいスクールミヤジマ(以下、みらいミ)
開発時、SDGsをマインクラフト(以下、マイクラ)の世界で展開しようと思った理由を教えてください。
宮島衣瑛さん(以下、宮島)
環境教育などの言葉は良く聞くようになりましたが、SDGsとなると国レベルの話になるので、途端に難しく・遠く感じてしまいます。
「さあ、貧困をなくそう!」と言われても、じゃあ自分は何をすれば良いのだろう?と止まってしまう。だから世界のことを自分ごととして考えるためには、自分が国のリーダーになる疑似体験をすると良いのではと。
そして、それを展開する場所は「マイクラ」が最適だと思ったんです。
みらいミ
子どもにとって入り口が興味があるものだと没頭していきますもんね。
楽しいからこそ深まる学び
宮島
SDGsを体験するための学びをマイクラで展開したら絶対面白いものになると確信していました。
自分自身がマイクラでずっと遊んでいたユーザーでマイクラという箱庭型ゲームをとてもリスペクトしていることもあり、ゲームとしての世界観や面白さを損なわないように、教育的要素とのバランスに気をつけています。
みらいミ
体験の中では4つの仮想国をつくり、グループに分かれて運営をしています。
<4つの仮想国>
【1】 経済大国ポテスタ
【2】 資源国ホルン
【3】 新興国ミチシオン
【4】 中立国アレテ
自分たち以外にも他の国を運営するグループがあるというシチェーションも、ゲーム感があって子どもたちはワクワクするようです。


(国によって資源や取り組む課題も異なる)
集まるメンバーで全く違う展開になるから面白い!
みらいミ
マイクラのマルチプレイは面白いですよね。うちの息子も自分でマイクラをやるときにサーバを立てて海外のお友達を同じ世界を探検したりしてますが、仮想の世界に複数の人がいるというのは親世代の子ども時代のゲームとはちょっと違った感覚です。
宮島
今YouTuber同士がコラボレーションしながらゲームを進めていく動画が子どもたちに人気があります。そういう憧れもあり、この体験は気持ちも盛り上がるのでしょうね。
みらいミ
過去何回か開催していますが、同じ体験なのに複数回参加してくれる子も多いです。その一番の魅力ってどこにあるんでしょうね。

宮島
4つの国があるので、違う国の担当になることで違った課題に取り組めることと、何より参加メンバーによって毎回全く展開が違うのも魅力だと思います。
ゲームのルールブックがあるのですが、そのルールを知らないと不利になる。だから、ゲームの初めにルールブックの読み合わせを始めるグループもあるんですよ。
(左:SDGsについての基本知識も最初に学ぶ/右:ルールブックは17ページにわたる。その一部)
みらいミ
チームのカラーが出ますね。
宮島
あと、子どもって目標達成のためにこちらが想定していない抜け道を見つけて実行したりするんです。
こちらもその都度ルールをアップデートしていく。子どもたちと一緒に毎回歴史を重ねゲームルールも決めています。
だから、私たちは今のこの体験が完成だと思っていないし、これからもどんどん面白くなっていくと思います。
リアルな場であえてやることに意味がある
宮島
体験は30分を1年として5年間、国を運営しますが、1年終わると必ずリアルな場で20分話し合いをはさみます。
(前半30分をゲームで国を運営 → 後半20分で話し合い)× 5セット
ゴールは、初年度以上の状態維持。しかも自国の利益だけではなく、他の国も発展していなければならないという中で、どうすれば良いのか、子どもたちは一所懸命話し合っています。
このリアルな話し合いがとても意味がある。
ゲームの世界を離れ対面で話すことで、自分たちの実体験を語る子も出てくる。マイクラだけで完結せずにリアルとバーチャルを行き来するのが理想の形なんです。
みらいミ
ゲームの中では時に自然災害や国民からの反対運動が起こることがあるんですよね。
宮島
はい。時に圧倒的に資源や食料がなくなってどうしようもなくなってしまうこともあります。
そんな時にファシリテーター(進行役)の自分が悪魔のささやきをすることもあるんです。「これはもう戦争で解決するしかないんじゃないの?」と。
でも子どもたちはいろいろ考えて、話し合いで解決することが多いです。
体験に参加するのに知識は必要?
みらいミ
この体験のファシリテートをするにはかなりの知識が必要ですよね。
宮島
はい。私自身、かなり勉強しています。
ニュースも歴史的な話も経済の話も、子どもたちに質問されたら何でも答えられるようにしています。
みらいミ
子どもたちもSDGsやマイクラに詳しい子が多いですか?
宮島
知識があるなという子は多いですが、そんなに詳しくなくても大丈夫です。
マイクラも毎回1/3くらいは未経験者なので初めてでも心配はないです。最初の1時間はチュートリアルの時間もあるし、子どもは操作を覚えるのも早いですし。
みらいミ
そうですね。楽しそう!と思ってもらえたらまずは参加してみてほしい。体験がきっかけで興味の芽が伸びたら嬉しいです。
現実世界につなげていく仕掛け
みらいミ
体験では最後の話し合いで現実世界へつなげていきます。この時間はSDGsをゲームの世界から自分の世界に落とし込む大切な時間ですよね。ここでの工夫はありますか?
宮島
はい。体験の最後には、ゲーム中に各国で起こった自然災害などを現実世界の事象と絡めて解説した「アクシデントシート」というものを渡しています。

(アクシデントシート。かなりしっかりとした解説)
みらいミ
なぜ洪水は起きるの?疫病はなぜ流行るの?といったことも5年間の国の運営をしているからリアルに考えられますよね。
宮島
これ、あえてふりがなをふっていないんです。親御さんとの会話のきっかけになればと思っています。
みらいミ
帰り道の親子の会話がはずみそう!
<終わり>
体験者の声
・子供がとても楽しんでいました。子供が興味のあるものを探求することで、課題をこなすこと、社会の問題まで一緒に学ばせていただき、とても勉強になりました。ゲームの良い活用法だと思いました。良い体験を、ありがとうございました。
・子供がゲームで遊びながら、世界について学び、とても楽しんでいたので。コミュニケーションを取りチームで協力して行うのも魅力でした。また参加して違う国でやってみたいそうです。
・昼食時も帰宅後も興奮してマイクラでの体験をいろいろ語っていました。次があればまたぜひ参加したいそうです
・とても子供が、楽しそうに参加していました。外務大臣になって、ちゃんと交渉したり、グループ内では、他の子達と意見出し合ったりとみんな初めて会った子達なのに目的に向かって、協力しあってる姿は、凄いなと思いました。終わった瞬間に今度は、いつあるの?また、参加したい!って、言ってました。
オンラインで、リアルな学びを体験しよう!
【1Day】マイクラで遊んで考える!世界の課題解決体験(SDGsバージョン)

ミヤジマ

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