以前、“STEM(ステム)教育”について記事にしました。
同じような文脈で少しずつ目に触れるようになったのが“STEAM(スティーム)教育”。
本記事では、STEAM教育とギフテ!体験との関わりについて、触れたいと思います。
STEAM教育って?
STEM教育は、簡単に言うと理系教育のことを指し、
Science(科学), Technology(技術), Engineering(工学), Mathematics(数学)の頭文字をとったものでした。
STEAM教育は、そこに“Art(芸術)”を加えたものです。
理系教育に“Art(芸術)”を加える意味
“STEAM教育”という言葉そのものは、2008年にロードアイランド・スクール・オブ・デザインというアメリカの美術大学学長John Maeda氏(当時)が、学長就任の際に提唱したことから、徐々に広まっていったようです。
その考えの根底は、「理系のSTEM教育を受けた生徒達がよりよい成果を出すには、クリエイティビティ(創造性)が必要だ」というものです。
理論や技術をベースに、それらを応用してよりジャンプのある考えや理論・技術を考案し活用するには、積み上げの思考だけでは難しい、という思想です。
そして、「クリエイティビティ」を育てるために“Art(芸術)”を活用しよう!ということで、STEM+Aの“STEAM教育”という言葉が出てきました。
確かに、言われるとそうだなぁ、という内容ではありませんか?
STEAM教育の効果は?
ひとことに“Art(芸術)”と言っても多くの種類があります。
実際、アメリカのSTAEM教育における“Art(芸術)”の定義は広く、「視覚的芸術(絵画・写真・彫刻・メディアアートやデザイン)、舞台芸術(ダンス・音楽・演劇)、詩作や工芸、グラフィックアートなど」と多岐にわたり、その定義は曖昧なようです。*1
そんないわば「何でもあり」の状況で、当然取り組みは実施主体によって多種多様です。
そのため、STEAM教育の文脈で“Art(芸術)”の効果を定量的に明らかにした包括的な研究はまだないようです。
一方、「クリエイティビティ(創造性)を教育で育成できるか?」という研究についてはSTEAM教育という言葉が提唱される前からなされていました。
そのうち70(研究対象者計4,210名)の研究をとりあげ、メタアナリシス*2という手法で効果を定量的に示した研究*3があります。
“Art(芸術)”の枠に留まらないのですが、参考までに内容を見てみましょう。
この研究では、「クリエイティビティ(創造性)」を以下の4つに分類しています。
- 1.発散思考力
2.問題解決能力
3.作品の制作力
4.アイデアや取り組みへの態度
その上で、4つの要素がどういう取り組みで向上/低下するのかを、統計的に分析し、以下のような結論(抜粋)を導いています。
-
・クリエイティビティ(創造性)の4要素、特に発散思考力と問題解決能力は、トレーニングにより確かな伸びが期待出来る
・トレーニング形式としては、対面での講義型が他(ビデオ・個人指導・共同活動 等)より効果の大きさでは優れている
・トレーニング内容としては、創作(表現)活動の効果が特に大きい
STEAM教育からみたギフテ!体験の意味とは?
まだ体系立ったものはないようですが、創作(表現)活動がクリエイティビティを刺激することは間違いないようです。
ギフテ!では、“Art(芸術)”を「表現にふれる」と解釈し、多くの体験を用意しています。
ひとつのものを突き詰めるきっかけにも、多様な経験を広く味わうためにも使って頂けたらと思います。
引き続き、“Art(芸術)”の領域でもより多くの体験を用意できるよう取り組んで行きます!
関連体験
【渋谷】 ロックスター直伝!キッズギタリスト体験!
https://gifte.jp/detail.php?eventmasterid__c=7010K000001qrKy
【池袋】アーティストと絵画を描く!キッズ画伯体験
https://gifte.jp/detail.php?eventmasterid__c=7010K000001qrPC
参考
*2 メタアナリシスとは、複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析のこと

いざわ

最新記事 by いざわ (全て見る)
- 2020年の学習指導要領改訂で小学校教育は何が変わる? - 2019年5月30日
- STEAM教育-STEM(理系教育)にArtを加える意味とは? - 2018年12月14日
- STEM教育は小学生にも必要?〜ギフテ!体験との関わり〜 - 2018年10月12日